<炭水化物抜き><ロカボ>大ブームの低糖質ダイエットで「やせた」は勘違い!中年太り解消にさほど効果なし、長期的には体重が増えやすくなる可能性も…
健康診断の結果を見て、体重が増えたのは年齢を重ねて代謝が落ちたから…と思っている方もいるようですが、神戸大学大学院保健学研究科准教授の山田陽介先生は「少なくとも60歳くらいまでは、若い頃(例えば20代)と比べて代謝の差はほとんどないということがわかっています」と話します。その山田先生いわく「低糖質ダイエットで体重が減るのは、あくまで一時的」だそうで――。 【図】低脂質ダイエット VS 低糖質ダイエット…その結果はいかに!? * * * * * * * ◆ブームを巻き起こした「低糖質ダイエット」 体脂肪、なかでも中年太りの場合は内臓脂肪や異所性脂肪(脂肪肝や筋肉脂肪)が問題になります。内臓脂肪や異所性脂肪が増えると、生活習慣病のリスクが高くなるからです。 今はメタボ健診も行われていますし、中年太りは健康によくないことをほとんどの人が知っているので、男性も女性もダイエットへの関心が高くなっていると思います。 そんな中年太りの人たちに、ブームを巻き起こしたダイエット法の1つに「低糖質ダイエット」があります。「ロカボダイエット」とか「主食抜きダイエット」とか、いろんな名前がありますが、要するに、糖質の摂取量を減らすダイエット法です。 炭水化物は糖質と食物繊維を含む食品のことなので、低糖質ダイエットでは、甘いものだけでなく、炭水化物も減らします。 簡単に炭水化物を減らすために、おかずだけ食べて、ごはんやパンなどの主食を減らすやり方があります。このダイエットを実践しているのか、定食屋さんでごはんだけを残している人を見かけることもあります。
◆糖質制限=水分が減っているだけ 確かに、糖質を減らすと一時的に体重は大きく減ります。結果が出やすいので、早くやせたい人が飛びつくのでしょう。 ところが、これは水分が減っているだけのこと。どういうことかというと、糖質はグリコーゲンという形で肝臓や筋肉にたくわえられますが、ここに水分がくっついています。そして、グリコーゲンを消費すると、それにともない、水分も体の外に出て行きます。 一方、脂質は燃えても水分はほとんど減りません。「水と油」という言葉があるように、脂質にはもともと水分が少ないのです。 糖質を消費して体の外に出て行く水分量は、糖質1に対して水分が3の割合です。糖質を1g消費すれば、水分が3g出て行くわけです。 つまり、低糖質ダイエットを行うと体重が減るのは、体の中の水分が失われているからなのです。 体内にはつねに一定の水分が保持されていなければなりません。その保持されるべき水分が出て行くということは、体が脱水に近い状態になっているということになります。 このため、低糖質ダイエットで体重を減らそうとしても限界があります。そこで低糖質ダイエットをやめてしまえば、体重はすぐに元に戻ります。
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