料理のプロが教える「味噌汁に出汁は必要なのか?」問題
最近は出汁入りの味噌もあり、出汁をとらない味噌汁も多く見られますが、いずれにしてもきちんと作れている気がしないのがメシマズたるゆえん。味噌汁がおいしくなる「理論」をプロに教わって、毎日おいしい味噌汁をササっと作れるようになりましょう! 〈画像で見る〉正しい味噌汁の作り方を解説!
「メシマズ」とは?
「作るメシがマズイ」の意。ネットの世界では「味が極端にマズイ」「見た目も味もひどい」など、激しいものを指すことが多いですが、この連載では「料理歴はそこそこあるのに味が微妙・たまに成功するけれど、だいたいおいしくない」といった意味で使用しています。
【登場人物】
教えてくれるのは…小田真規子さん 料理研究家 著書やテレビ出演多数! 長年第一線で活躍しているプロ中のプロ。料理初心者にも寄り添ってくれる、手取り足取りなレシピに定評あり。 教わるのは…エディター オギ 料理歴は大学時代から一応10年以上の独身アラサーエディター。健康や美容に興味はあるが、基本ズボラ。
「味噌汁に出汁は必要なのか?」問題
オギ 以前、「野菜の旨味だけで作った味噌汁」なるものをいただいたことがあるのですが、本当においしかったんです。それで家でも作ってみたら、味の薄い野菜の煮込み汁ができあがりました……。 結局、味噌汁に出汁は必要なんでしょうか? 小田先生 そもそも味噌は、蒸した大豆などに米を主体に麹菌を付着させ、発酵させた調味料。発酵する過程で、麹菌の働きによって大豆のたんぱく質が分解され、旨味のもとになるグルタミン酸が生まれます。つまりは「旨味たっぷり」なので、基本的に出汁はいらないんです。 オギ そうなんですか!? 小田先生 ただ、「手前味噌」という言葉があるように、味噌は比較的作りやすい調味料なのでさまざまな地方で作られていて、使う原料も大豆、麦、米などさまざま。塩や醤油に比べて種類が多く、「コレがまさに」とはとらえられない調味料と言えます。 オギ 私は買う味噌を固定せずいろいろ試してみる派なのですが、確かにどれも味が違います! 小田先生 そうなんです。たとえ同じ原料を使っていても、北海道と九州では熟成させる期間も異なり、塩分濃度が同じでも旨味や香り、味わいのバリエーションが本当に豊富です。だから、いつもと同じように作ったのに、「なんだか味が濃い」「深みがない」と感じて、つい出汁の素に頼りたくなる、という人も多いのかもしれません。 オギ なるほど~。 小田先生 基本的には、具材を煮込んで旨味を引き出してから味噌を入れれば、出汁がなくてもおいしいですよ。ただ、「具材を煮込む時間がない、すぐご飯にしたい」という場合は、出汁の力を借りるのもアリです。では、さっそく作っていきましょう!